イクジイプロジェクトとは

イクメンの言葉は浸透し、男性の意識にも変化が見られますが、実際には景気の低迷を背景に雇用状況の改善が難しいなど、父親の育児参画の浸透には課題が山積しています。そこで育児の担い手として注目されるのが祖父母の役割、なかでもおじいちゃんの存在です。

主体的に育児に関わる男性『イクメン』に対応して、『イクジイ』は主体的・積極的に育児に関わりたいと望む中高年を指した造語です。NPO法人ファザーリング・ジャパンでは、『イクジイ・プロジェクト - 笑っているおじいちゃんが社会を救う。』を立ち上げました。

2007年から還暦を迎えた団塊の世代が次々と定年退職していますが、まだまだ元気に、趣味やセカンドキャリア、生涯学習、ボランティア活動などセカンドライフを満喫しています。定年退職後の自由時間は現役時代の就業時間と同程度の量だとも言われています。現役時代は仕事漬けでほとんど育児をしてこ(れ)なかった中高年が、孫ができると一変して孫と関わり合いを持とうとします。今までの『孫育て』というと、忙しいパパママに代わって乳幼児を預かり、保育をサポートする役割のイメージがありますが、果たして皆が保育要員(ママ化)となる必要があるのでしょうか?イクジイ・プロジェクトでは、おじいちゃんは単に孫の相手をするだけでなく、イクジイだからこそできる役割があると考えています。

イクジイ世代の皆さまにお願いしたいことは以下のとおりです。

1.ご年輩者として古き良き日本を伝承して頂きたい。

礼節、道徳、命の価値、歴史、文化、伝統、物の大切さなど、現代人が失いつつあるもの、若い父親たちでは伝えきれない大切なものを、人生の先輩として孫たちに伝えて頂きたいです。

2.孫世代のコミュニケーション能力、ヒューマンスキルを磨いて頂きたい。

昔と違い、兄弟が少なく、核家族化している現代の子供たちは、縦の関係や他者とのつながりが希薄となっています。子どもにとって祖父母との交流、高齢者と接することは、年輩者への敬い、弱者への思いやりなどの情緒が養われ、コミュニケーションの幅が広がり、ヒューマンスキルが磨かれます。

3.孫世代にとっての人生の相談役、指南役となって頂きたい。

子どもは十代前半から精神的に親離れしていきますが、社会的、経済的に自立するのはまだ時間がかかります。イクジイには、パパママ抜きで、ジジと孫とでの交流をはかる中抜け効果を期待してます。子どもが思春期になり、恋愛、友人関係、進路など親には話しにくい悩みを聴いてあげられる相談役、指南役となって頂きたいです。

【最後にイクジイ世代の皆さまへ】

この史上最大規模の東日本地震において、戦後の日本を復興させてきた皆さんの底力を今一度見せて頂きたいと願います。焼け野原の中でも、夢見た将来の日本への希望を、ビジョンを教えて頂きたいです。

私たち父親が、これからの日本の経済復興に向けて尽力するために、次世代に希望を紡いでいくために、現役時代に培ったスキル、経験を活かして、育児へのご協力をお願いします。イクメンとイクジイで協働して行きましょう!

ファザーリングジャパン理事 イクジイプロジェクトリーダー 村上誠

 

 


 

 

ファザーリング・ジャパンの活動を始めた頃(2006~7年頃)、私は50代以上の中高年男性が苦手でした。

家の中では自分の子にほとんど関わらず、地域活動もやらず、男の育児などトンデモナイという古い価値観しか持ち合わせていない管理職世代。まさにFJの天敵、抵抗勢力でしかないと見ていたのです。

しかし、活動を続ける中で知り合った中高年男性の中には、孫育てを楽しみ、地域や学校にも関わり、定年後に自分の趣味でだけでなく社会貢献活動をする「いい顔してるじいさん」が結構いたのです。

「かっこいいな。ボクもあんなイクジイになりたいぞ」

そう思って、このイクジイプロジェクトを立ち上げることにしました。

「定年は社会的リタイアではない」
私はいま、何もすることなく家でくすぶっている中高年男性たちにそう言いたい(私の父親もそうだった)。

定年とは会社組織での就労・役割を終えただけ。時間ができた「就労後」には長年の仕事で培ったスキルを活かし、貴重な経験を社会に還元できる機会(チャンス)がいくらでもあるのです。

イクメンは確かに増えました。でもまだ育児やりたくても事情を抱えできないパパは多い。
そんな状況を補完して、おじいちゃんも一緒に笑顔で子育てに加わって欲しい。

そしてこの難しい時代に生きる子どもたちに希望を持たせ、彼らとそして私たちの未来を輝けるものにするために、イクメンとイクジイで協働して、次世代や地域社会を一緒に育てていきませんか?

FJのイクジイプロジェクトでは、そんな思いを持った(まだ気づいていない)中高年男性の皆さんをさまざまな事業で応援します。

各種研修セミナーでイクジイへの道を究め、また実際に社会事業(震災ボランティアなど)に携わって、その智恵と力を活かしてください。

そしてまだ青い私たちに「生きること」「育てること」の本質を教えてほしいのです。

私たち=パパもそのうちイクジイになります。そのときの指針となるような、憧れにできるかっこいいじいさんでいてほしいのです。

笑っているおじいちゃんが社会を変える。共にロックしましょう!

ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也ファザーリング・ジャパン代表理事 安藤哲也